【建築設計者必見‼】漏水させない為の重要ポイント その②
2021年6月に紹介した「漏水させない為の重要ポイント4選」、この他にも漏水させない為の重要ポイントがあります。そこで今回は前回に続き、3つの重要ポイントをご紹介します。
この記事の内容
- 伸縮目地の位置
- パラペット高さの下限寸法
- パラペット・ドレン間の適切な寸法
1.伸縮目地の設置位置
防水層の上に保護コンクリートを設置する場合、適切な間隔で「伸縮目地」を設置する必要があります。
【伸縮目地設置の流れ】
【伸縮目地設置のポイント】
A.伸縮目地の寸法
非断熱工法の場合:3,000㎜程度ピッチで施工する
断熱工法の場合 :2,500~3000㎜程度ピッチで施工する(熱的影響に考慮)
B.伸縮目地の寸法(入隅部)
入隅より300~600㎜程度離した位置に施工(立上り防水層への押出しに考慮)
C.成形緩衝材の設置
入隅部には必ず成形緩衝材を設置する
【上記をしない場合の不具合】
【選定のポイント】
「伸縮目地」や「成形緩衝材」には様々な種類がありますが、公共建築工事標準仕様書に下記文言が記載されています。
公共建築工事標準仕様書 9.2.2材料(11)成形伸縮目地材 (ア)形状及び寸法 目地幅は25㎜、本体は目地幅の80%以上、保護コンクリートの上面から下面にまで達するよう高さの調節が可能なもので、キャップ側面に付着層又はアンカー部を備えた製品とする。 ・・・・・・・・以下省略 (12)成形緩衝材は、アスファルトルーフィング類の製造所の指定する製品とする。 |
伸縮目地 :公共建築工事標準仕様書対応と記載された製品を選定
成形緩衝材:弊社成形緩衝材「パラクッション」とご指定下さい。(防水層と同一製造業者)
2.パラペット高さの下限寸法
パラペット高さは「漏水させないための納まり」「防水施工が可能な納まり」などのために下限寸法があります。
【下限寸法】
「水上」でもスラブ面からアゴ下までを保護工法では「400㎜以上」、露出工法では「300㎜以上」を確保します。(アゴの無い場合は、パラペット内側高さを基準とします)
【不具合が生じる納まり】
上記の様に「立上り高さが低い」「パラペットのアゴの出が少ない」納まりとした場合、「オーバーフローによる漏水」「防水層端末部への雨水の浸入」リスクが高まります。
3.パラペット・ドレン間の適切な寸法(縦引きドレンの場合)
パラペット(入隅付近)は、増張り材や切張り補強、平場・立上りルーフィングが複雑に重なり合っており、ドレンが立上りの際に近接しているとこれらの作業が不確実となり易く、不具合の原因となるので、下表を参考にドレン径に応じて、パラペットとドレンの間に適切な距離をとる必要があります。
ルーフドレン径 C㎜ | 80 | 100 | 125 | 150 | 200 |
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中心距離 L㎜ | 325 | 350 | 375 | 400 | 425 |
次回ブログは3月1日(火)公開予定です。