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2021/06/01 防水トレンド情報

建築設計者必見‼漏水させない為の重要ポイント4選

6月から梅雨に入り、屋上が雨に曝される機会も多くなります。屋上防水に雨水による不具合を生じさせない為には、適切な雨水排水設計はもちろん、施工やメンテナンスにも留意する必要があります。そこでこの記事では、水溜りを生じさせない為にチェックすべき重要ポイントを4つ紹介します。

この記事の主な内容

  1. 勾配の取り方
  2. ドレン管径の選定方法
  3. 防水シートの張り方向について
  4. 植物の繁茂・堆積について

屋上 水溜り

雨水で屋上がプールのようになっている様子


そもそも屋上に水が溜まる事は悪い事なのでしょうか?屋上に雨水が溜まる=防水層が機能しているという事が言えます。しかし、屋上には水だけでなく土や花粉、ゴミが集まります。水溜まりが乾いた後、汚れになる事で防水層表面を著しく劣化させたり、泥が溜まった箇所から植物が繁茂し、根が防水層に穴を開けてしまう事もあります。仮に雨水が防水シートを押さえている金物部分まで溜まると、そこから漏水してしまう事にもなりかねません。

ドレン 排水阻害

ドレン廻りに植物が繁茂している様子

1.勾配のとりかた

陸屋根は下記の防水勾配をつけるようにしましょう。尚、日本建築学会発刊のJASS8(ジャスハチ)に詳しい記述があります。

保護工法では1/100~1/50

(補足)但し改質アスファルトルーフィングを使用する防水の場合、重ね部分で勾配に沿う水の流れを妨げる場合があり、状況に応じて1/75~1/50程度の勾配とすべき

露出工法では1/50~1/20

(補足)下地の施工精度の関係で1/100程度の勾配では、ほとんどの場合で水溜りができてしまう

ここで一つ注意して頂きたいのは、急勾配すぎても良くないという事です。下地と防水層、防水層と保護・仕上層との間ですべりなどが生じるおそれがあります。

【1pointアドバイス】

弊社は保護工法でも1/50以上の勾配をつけることをお勧めしています新築時は1/100勾配でも問題ありませんが、防水改修をする際に保護コンクリートを撤去して防水施工をする事は様々な問題が生じるため難しく、今は保護コンクリートの上に防水層を被せて改修する事がほとんどです。その際、1/100勾配の露出防水となり、露出防水に最適な防水勾配1/50~1/20ではなくなります。

保護工法・露出工法 推奨勾配

保護工法・露出工法の推奨勾配



2.ドレン管径の選定方法

ドレン選定では排水能力に余裕のある管径を選ぶ事とドレンの個数を増やしてドレンが詰まり、機能しなくなるリスクを分散させる事が重要です。下の表はドレン管径ごとの排水能力をまとめた表です。例えば300㎡の屋根に100φの縦ドレン1本を設置すれば排水能力を満たすことになります。しかし、ゴミ等でドレンが詰まると排水できる箇所が他にない為、屋根に水が溜まります。一方で75φの縦ドレンを3箇所に設置すれば充分な排水能力がある事はもちろん、ドレンが詰まる事リスクを分散する事にもなります。

ドレン管径と許容面積

ドレン管径と許容面積

給排水衛生設備規準(SHASE-S 206-2019)より、雨水100㎜/hで算出

【1pointアドバイス】

防水改修の際に排水能力が低下する事も踏まえてドレンの選定をしましょう。防水改修時は一般的に改修ドレンを使用します。その際、排水能力は37.2%もダウンします。

ドレン排水能力減少イメージ排水能力減少のイメージ


3.防水シートの張り方向について

アスファルト系防水は主勾配に沿って(縦張り)、合成高分子系シート防水は主勾配に直交して(横張り)施工する事が原則です。アスファルト系の防水を縦張りで施工する理由は大きく2つあります。1つ目はアスファルト防水熱工法を横張りで施工すると溶融したアスファルトが流れ出てしまう為。2つ目は改質アスファルトルーフィングを使用する防水は、ルーフィングに厚みがあるので、横張りで施工すると部分的な水路や水溜りが発生してしまう恐れがある為です。

防水 縦張り

縦張りのイメージ

防水 横張り

横張りのイメージ


4.植物の繁茂・堆積について

最後は水溜りが生じた箇所に植物が繁茂した時の対処法をお伝えします。下の図は水溜りにより泥が溜まり、そこから植物が繁茂した写真です。ドレン部周辺は雨水を集める為に勾配がついており、特に泥やゴミが溜まりやすくなります。こうなる前に定期的に清掃を行うのが理想的ですが、このような状態になった際に植物は抜かないようにしましょう。植物の根は防水層を貫通している事もあり、むやみに抜いてしまうと穴が開いて、水が浸入してしまいます。このような状態を発見した際はプロに調査を依頼しましょう。

ドレン 排水阻害

ドレン廻りに泥が溜まり、植物の根が生えている様子

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まとめ

最後に本記事の内容をもう一度確認してみましょう。

  • 陸屋根の勾配は保護工法で1/100~1/50露出工法で1/50~1/20とすべきだが改修後の事も考えると、保護工法でも1/50にした方が良い。
  • ドレンは排水能力と個数に余裕を持った選定をする事が重要。
  • 防水シートの張り方向はアスファルト系防水と合成高分子系シート防水で異なる。
  • 不具合を見つけた際は、まずプロに相談する。

尚、その他にも防水仕様選定の事などでお困りの事がございましたら、まずはお問い合わせフォームからご連絡ください。