建築設計者からの質問4選
先月、実際に建築設計者から問い合わせ頂いた質問をピックアップしてご紹介します。
目次
- 構造(耐震)スリットと防水層
- 球面屋根に熱アスを施工したい
- 保護工法-立上り露出仕上げの特長
- アスファルトの溶融温度について
1.構造(耐震)スリットと防水層
Q.「構造スリット」と「防水層」が取り合う場合、どの様な処置が必要ですか? |
A.「構造スリット」と「防水層」が取り合わない納まりが原則です。 |
【標準的な納まりイメージ】
やむを得ず取り合う場合には、スリット部に増し張り(100~150㎜程度)した上で防水層を施工します。
2.球面屋根に熱アスを施工したい
Q.球面やR形状の屋根に信頼性のあるアスファルト防水熱工法を採用したい。 |
A.球面屋根等には、シート系防水(アスファルト防水熱工法)は不向きです。「クロス不要のウレタン塗膜防水」を推奨しています。 |
【推奨工法】
3.保護工法-立上り露出仕上の特長
Q.アスファルト防水保護工法で立上りを露出仕上げとした時の長所と短所を教えて欲しい。 |
A.下記表をご覧ください。 |
長所 | 短所 |
---|---|
|
|
4.アスファルトの溶融温度について
Q.アスファルト防水熱工法で「アスファルト」の溶融温度を適正温度以上にした場合のデメリットは何ですか? |
A.様々な不具合がありますので、適正温度を遵守してください。 |
【臭い・煙】
温度を上げることで「臭い」「煙」の発生量が大幅に増えます。
【施工管理が困難】
ある一定の粘度以下になると、規定量の塗布が困難になります。
【引火】
引火点に近づくため、引火による火災の可能性が大幅に増えます。
【ルーフィングの軟化】
ルーフィングが軟らかい状態で施工するため「シワ」や「浮き」が発生しやすくなります。
【物性の変化】
温度を上げ過ぎると、アスファルトそのものの物性値が下がります。
【コスト】
燃料代上昇により、コストが増加します。
製品名 | 適正施工温度 | 設定上限温度 |
---|---|---|
シグマートS | 230~250℃ | 260℃ |
シグマートE | 170~190℃ | 210℃ |
シグマートEL | 200~220℃ | 240℃ |
アスリードコート | 220~240℃ | 260℃※ |
※立上り塗膜仕様の場合は「200~220℃」