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2025/01/01 問い合わせの多い質問

アスファルト系ルーフィングの基礎知識

約120年の歴史があるアスファルト防水。今回は、アスファルト防水に使用するルーフィングの構成や特長をご紹介します。

目次

  1. アスファルト系ルーフィングの種類と構成
  2. アスファルト系ルーフィングの用途と特長
  3. 構成材料の特性
  4. まとめ

1.アスファルト系ルーフィングの種類と構成

アスファルト系ルーフィングは、「アスファルトルーフィング」「ストレッチルーフィング」「改質アスファルトルーフィング」の3つに大別されます。

【アスファルトルーフィング】 JIS A 6005

芯材(ラグ原紙)にアスファルトを浸透、被覆し、表裏面に鉱物質粉粒を付着させたルーフィング。単位面積質量(1㎡あたりのグラム数)により「430」「940」「1500」に大別されます。

ルーフィングの種類用途備考
アスファルトルーフィング430外壁下張材アスファルトフェルト
アスファルトルーフィング940屋根下葺材 
アスファルトルーフィング1500建築防水材 

【ストレッチルーフィング】 JIS A 6022

芯材(合成繊維不織布)にアスファルトを浸透、被覆し、表面に砕石または鉱物質粉粒、裏面に鉱物質粉粒を付着させたルーフィング。抗張積や用途により「800」「1000」に大別されます。

ルーフィングの種類用途備考
砂付ストレッチルーフィング800建築防水材砂付ルーフィング
ストレッチルーフィング1000建築防水材 

【改質アスファルトルーフィング】 JIS A 6013

改質アスファルトに、合成繊維不織布を補強材として使用したルーフィング、工法により「改質アスファルトルーフィング」「粘着層付改質アスファルトルーフィング」に大別されます。

上記に加え、単層防水用・複層防水用など様々な種類のルーフィングがあります。

ルーフィングの種類用途備考
改質アスファルトルーフィング建築防水材主に熱・トーチ工法用
粘着層付改質アスファルトルーフィング建築防水材主に粘着工法用

 

用語解説 「抗張積」

ルーフィングの「引張強さ」と「伸び率」の積

用語解説 「改質アスファルト」

合成ゴム(SBS)や合成樹脂(APP)をアスファルトに添加し、感温性、耐侯性、耐久性等を向上させたアスファルト

2.アスファルト系ルーフィングの用途と特長

【各ルーフィングの用途】

ルーフィングの種類主な用途
アスファルトルーフィング官公庁仕様の防水材または防湿層
ストレッチルーフィング官公庁仕様の防水材、メーカー保護仕様の防水材
改質アスファルトルーフィングトーチ工法や熱工法の防水材(土木防水でも使用)
粘着層付改質アスファルト
ルーフィング
常温工法やウレタン塗膜複合工法の防水材
(土木防水でも使用)

【各ルーフィングの特長】

ルーフィングの種類性能強度耐久性コスト
アスファルトルーフィング
ストレッチルーフィング
改質アスファルトルーフィング
粘着層付改質アスファルト
ルーフィング

3.各種ルーフィングの厚さと構成材料の特性

【各種ルーフィングの厚さ】

ルーフィングの種類用途弊社製品名
アスファルトルーフィング1500※約1.5㎜ルーフィング1500
砂付ストレッチルーフィング800※約2.7㎜SPサンドなど
ストレッチルーフィング1000※約1.6㎜SPビニロン70Sなど
改質アスファルトルーフィング1.5㎜-4.0㎜メルタン21など
粘着層付改質アスファルトルーフィング1.5㎜-4.0㎜カスタムサンドUFなど

※JISの要求品質に「厚さ」がなく、実測値。
→ アスファルトの比重が約1.0、単位面積質量1500g/㎡の場合、およそ1.5㎜厚となる。

【構成材料の特性】

鉱物質粉粒(上側): 「耐候性」「アスファルトとの接着性」等の向上

鉱物質粉粒(下側): 「耐候性」「アスファルトとの接着性」「耐アルカリ」等の向上

(改質)アスファルト: 「防水性能」「耐久性」に寄与(高温で軟らかく、低温で硬くなる特性)

SBS: 「冬場」でも硬くなりにくい性質

APP: 「夏場」でも軟らかくなりにくい性質

芯材 : 「引張強さ」「引裂強さ」「伸び率」「耐久性」「低温可とう性」に影響を与える
→ ルーフィングの力学的性能に大きな影響を与える

4.まとめ

ルーフィングは、種類により下記のような違いがあります。