【端部金物不要のシート防水!?】塗膜とシートの長所を組み合わせた最新防水とは
シート系防水の施工管理で、最も留意すべき部位は「防水端部」です。複雑形状の場合、立上りを塗膜防水とすることで「施工性が向上」し、「施工管理も容易」となります。
そこで今回は、塗膜とシートの長所を組み合わせた「省力化仕様」と「高耐久仕様」をご紹介します。
目次
- 一般的なシート系防水の端部処理
- 立上りを塗膜防水とすることで得られるメリット
- アスファルト系シート防水+アスファルト系塗膜防水
- 塩ビシート防水+高強度・高伸長ウレタン塗膜防水
- まとめ
1.一般的なシート系防水の端部処理
- アスファルト系シート防水では、アルミ押え金物で防水層を留め付け、シール材を充填します。
- 塩ビシート防水では、主にブチルテープ・シート・アルミ押え金物の順に施工し、シール材を充填します。
【アスファルト系シート防水】
【塩ビシート防水】平場:機械固定工法 立上り:接着工法の場合
【押え金物豆知識】 公共建築工事標準仕様書において「押え金物」の材質、形状及び寸法は以下の様に規定されています。 -アスファルト防水・改質アスファルト防水-「特記による。特記がなければ、アルミニウム製L-30×15×2.0(㎜)程度とする。」
-塩ビシート防水-「ルーフィングシートの製造所指定する製品とする」(監理指針では「材質は一般的にアルミニウム製で、厚さ1.0~2.0㎜程度のプレート状やアングル状のものが用いられる」) |
2.立上りを塗膜防水とすることで得られるメリット
立上りを塗膜防水とすることで、「省力化(工期短縮)」「複雑部位への対応」が可能となり「施工管理も容易」になります。
【省力化(工期短縮)】
「押え金物の留め付け」「シール材の充填」工程が不要になるため、工期短縮が図れます。
→押え金物のビス留めが不要になるため、防水層を傷付けることなく施工が可能。
【複雑部位への対応】
シート状の防水層では困難な複雑部位へ施工も、液状防水層により容易に施工可能です。
3.アスファルト系シート防水+アスファルト系塗膜防水
【新築工事に最適】
当社で取り扱う全てのアスファルト系シート防水に適用可能な塗膜防水材「キュービックコート」と超耐久防水工法「アスリード工法」で使用する高耐久立上り塗膜防水材「アスリード塗膜仕様」の2種類をご用意しております。
特長 | 適用仕様 | 適用部位 | |
---|---|---|---|
キュービックコート | 環境性能 | 全てのアスファルト系防水 | 立上り、架台 |
アスリード工法 | 防水性能、省力化 | アスリード仕様 | 立上り、架台 |
【各工法の説明】 -キュービックコート-常温で施工可能な湿気硬化型アスファルト塗膜防水工法です。 平場はアスファルト系であれば全ての仕様に適用可能です。 -アスリード工法-超耐久加熱型改質アスファルト塗膜防水工法です。使用する全ての防水材を「高耐久」とすることで「耐久性の向上」「省力化」を実現しました。 平場もアスリード工法とする場合に施工可能です。 |
※掲載時の納まり
4.塩ビシート防水+高強度・高伸長ウレタン塗膜防水
【改修工事に最適】
平場にメカファイン(塩ビシート防水)を施工し、 立上りへカイザーコート(高強度・高伸長ウレタン塗膜防水)を施工する仕様です。 平場を機械固定工法とし、立上りに高強度・高伸長ウレタン塗膜防水を採用することで補強布が不要(メッシュフリー)となり、省力化を実現します。(補強布が必要ですが、一般的なウレタン塗膜防水でも施工可能)
※平場・立上り防水材の層間にはプライマーが必要です
5.まとめ
近年「高耐久」「省力化」に対する要求が急激に高まっており、「複雑部位への対応」が求められる建物に対して、条件により下記仕様を推奨しています。
- 高耐久新築 : 平場「アスリード仕様」 立上り「アスリード塗膜仕様」※
- 一般新築 : 平場「お好きなアスファルト防水」 立上り「キュービックコート」
- 改修 : 平場「塩ビシート防水機械固定工法」 立上り「カイザーコート」
※露出工法に限る