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2024/07/01 問い合わせの多い質問

下地処理材の種類と特長

防水層施工前の下地処理は防水層の品質に大きく影響するため「下地処理材」の選定は極めて重要ですが、種類が多く、使い分けに悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「下地処理材の選定方法と特長」をご紹介します。

 

目次

  1. 下地処理材とは
  2. 下地調整材の要求性能
  3. 下地調整材の選定方法
  4. まとめ

1.下地処理材とは?

下地処理材は、「プライマー」と「下地調整材」に大別されます。

プライマーは「新築・改修」共に使用し、下地調整材は主に改修工事で使用します。

用語解説

  • プライマー : 下地(コンクリート)と防水層の接着性を向上させるための材料。一般的に、防水層と同質系の材料を使用
  • 下地調整材 : 主に、下地の不陸を平滑にするための材料で「セメント系」「アスファルト系」に大別

【新築工事で使用するプライマーの種類】

殆どの工法で、防水層と同質系のプライマーを使用します。公共建築標準仕様では、「機械固定工法」と「ウレタン塗膜防水通気緩衝工法」でのみプライマーを使用しません。

 

【改修工事で使用する下地調整材の種類】

 コンクリート保護コンクリート防水層下地※
アスファルト防水セメント・アスセメントセメント・アス
シート系防水セメント
ウレタン塗膜防水

※既存下地が同質系の場合

既存下地がコンクリートの場合には、一般的にセメント系下地調整材を用います。 また、シート系やウレタン塗膜防水下地では状況に応じてセメント系下地調整材を使用し、プライマーを塗布した後、防水層を施工します。 (機械固定工法ではプライマーも不要) 

上記より既存下地が「アスファルト防水層」以外は選定方法が簡便であることが分かります

 

用語解説

  • 撤去工法 : 既存防水層や既存保護層を撤去した下地に防水を施工する工法
  • 被せ工法 : 既存防水層を残して、その上に防水を施工する工法

 

2.下地調整材の要求性能

下地調整材の要求性能は、下地がコンクリート(撤去工法または保護コンクリート)か、防水層であるかで異なります。

【下地がコンクリートの場合】 

 撤去後のコンクリートや保護コンクリート下地には、セメント系下地調整材で「平滑性を確保」し、撤去下地では一時的に防水層がないため「仮防水」をする必要があります。

 

【下地が防水層の場合】 

 防水層下地には、セメント系またはアスファルト系下地調整材で「平滑性を確保」し、状況に応じて「水溜り対策」を実施します。(立上りは基本的に撤去するため、コンクリート下地同様の措置が必要)

 

【施工例】

 

3.下地調整材の選定方法

当社では、8つの下地調整材があり、それぞれの特長は下記の通りです。アスファルト系は、新規防水層がアスファルト系防水施工時のみ使用します。

 製品名適用下地特長
アスマルエスシーラー砂付下地活性(溶剤)
AQシーラー砂付、撤去下地環境対応(水性)
セメントフィットベース砂付不陸調整(厚付け)
フィットリーチ全て施工可能シート、ウレタン下地に最適
フィットエポ♯10コンクリートに最適
ショウテック早強コンクリート大きな欠損修復に最適
特殊フィットネオ全て施工可能1液型(施工性重視)
ニューセッターボード全て施工可能下地処理簡略化パネル

 

既存砂付ルーフィング下地で「被せ工法」を施工する際、標準で「マルエスシーラー」を選択し、環境に対する要求により「AQシーラー」を、既存砂付ルーフィング下地に著しい不陸がある場合には「フィットベース」を選択します。

既存シート、塗膜下地の場合には「フィットリーチ」を選択しますが、下地が健全であれば下地調整材を必ずしも使用する必要はありません。

コンクリート下地では「フィットエポ♯10」を推奨しています。

POINT

下地が防水層の場合、「下地調整材(セメント系またはフィットネオ)」との接着強度の確認が必要です。

 

4.まとめ

下地処理材は、防水層を構築する上で極めて重要であり、

  • 新築では防水層と同質系の「プライマー」を使用
  • 改修では平滑性の確保、仮防水などを目的として「下地調整材」を使用した後「プライマー」を使用

であることが分かります。

なお、「改修現場」を調査した上で、適切な下地調整材を選定する必要がありますので、改修を検討されている場合にはお気軽に弊社までご連絡ください。