【問い合わせの多い質問】水張り試験の必要性
設計事務所、建設会社から防水工事店にいたるまで、数多くの問い合わせがある中で、今回は「水張り試験の必要性」をピックアップして、ご紹介します。
水張り試験って何?
防水層の施工完了後、水密性が適切に保たれているかを確認するため「ドレン」に詰め物をして散水し、一定期間放置した後「漏水」の有無を確認する方法を「水張り試験」と言います。
水張り試験って必要?
建築工事監理指針805頁に、
・・・・・「漏水がない。」とは、例えば、屋上の防水の場合等に水張り試験を行って確認することを要求しているわけではなく、漏水のない品質をプロセスでつくり込むという考えが重要である。・・・・・ |
とあります。 弊社でも、
・漏水のない品質をプロセスでつくり込むという考えが重要であること
・水張り試験時に滞留した水が、防水層を汚してしまうこと
・不具合の発生(漏水)が、他の業種の不具合と異なり誰の目にも明らかであること
の3つの観点から「水張り試験」を推奨しておりませんが、現場毎の実情により実施している場合があります。
但し、露出防水(特に露出断熱防水)や改修工事では、一時的とはいえ大きな荷重がかかり、躯体や防水層に不具合が生じる恐れがあるため、なるべく実施しないよう要請しております。 →脱気筒が設置している場合、立上りが低い場合などには更に留意が必要。
水張り試験を要求されることが多い箇所
一般的に「浴室」や「厨房」などの屋内防水で要求されることが多く、屋上防水では殆ど実施されておりません。
まとめ
「水張り試験」の実施は弊社として推奨しておらず、「漏水のない品質をプロセスでつくり込むという考えが重要」と捉えています。
尚、屋上防水や室内防水の「水張り試験」に関する公的規準などの明確な規定はありません。
次回ブログは11月1日(月)公開予定です。