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2022/12/01 問い合わせの多い質問

【問い合わせの多い質問】飛び火とは?関連法規も徹底解説

設計事務所、建設会社から防水工事店にいたるまで、数多くの問い合わせがある中で、今回は「飛び火」にフォーカスしてご紹介します。(中大規模木造住宅を含む木造住宅詳細については2023年2月ブログ掲載予定)

この記事の内容

 1. 飛び火とは?

 2. 飛び火の詳細

 3. まとめ

1.飛び火とは?

飛び火とは「火の粉による建築物の火災(延焼)のこと」です。

飛び火を防止することを「防火」、建築物の倒壊及び延焼を防止することを「耐火」と呼びます。

上記に関し、市街地では条件により屋根を防火・耐火構造にすることが求められています。(建築基準法)

→その場合には、(屋根防火に関する)国土交通大臣認定の「飛び火認定書」が必要です。

①「耐火構造」「準耐火構造」「防火構造」「不燃材料」「主要構造部」⇒建築基準法第2条による用語の定義はこちら

【飛び火認定書が必要な建物】

飛び火認定は「②平成12年建設省告示第1365号」により「屋根(構造)」が、A地域の中でB ~Eの条件を一つでも満たさない場合に必要です。(不燃材料で造るか、又はふく場合を除く)

A.地域   :防火地域・準防火地域・22条指定地域

B.構造   :(屋根が)コンクリート造、ALC、PCaのいずれか、又は耐火構造(国土交通大臣認定含む)

C.勾配   :30°以下(0~30°)

D.断熱材厚さ:50㎜以下、又はなし

E.防水材種類:アスファルト防水、改質アスファルト防水、塩化ビニル樹脂系シート防水、ゴム系シート防水、塗膜防水

2.飛び火の詳細

A.地域

防火地域・準防火地域における飛び火は「③建築基準法第62条(旧第63条)」に、その詳細は「④施行令第136条の2の2」に規定されています。それ以外の市街地について指定する区域である22条地域は「⑤建築基準法第22条」に規定されています。

尚、22条には「・・・ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ床面積が10㎡以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りではない。」とあります。

【図による市街地概念図】

飛び火認定書は上記「防火地域」「準防火地域」「22条地域」に必要

【地域の確認方法】

  • 設計図書(図面)の「敷地条件等」の項目に記載されています。
  • (自治体により)都市計画情報提供サービスを実施しています。

「都道府県名」+「都市計画情報提供サービス」で検索

【用語解説】

防火地域、準防火地域:「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定される区域(⑥都市計画法第9条21項

22条地域: 特定行政庁が防火地域及び準防火地域以外の市街地について指定する区域

特定行政庁:「建築主事を置く」市町村長、「建築主事を置かない市町村」の都道府県知事。(建築基準法内特有の言葉)

B.構造

(屋根が)コンクリート造、ALC、PCaのいずれか、又は耐火構造(国土交通大臣認定含む)

 耐火構造に関する法規(⑦建築基準法施行令第1条の3号、第107条・建設省告示第1399号)はこちら

 準耐火構造に関する法規(⑧建築基準法施行令第1条の3号、第107条の2・建設省告示第1358号)はこちら

飛び火認定書は、下地が耐火構造ではない、または耐火認定を受けていない場合に必要

C.勾配

30°以下(0~30°)

飛び火認定書は、勾配が30°を超える場合に必要

D.断熱材

露出(断熱)工法に使用する断熱材の厚みが50㎜以下、又はなし

尚、国土交通省住宅局より事務連絡として、過去の個別認定(飛び火認定試験による認定)において断熱材の規定が「JIS A 9511」と記載されていても、「JIS A 9512」に読み替えができる旨、各都道府県、指定確認検査機関等へ通知がなされている。

飛び火認定書は、断熱材厚みが50㎜を超える場合に必要

E.防水材種類

アスファルト防水、改質アスファルト防水、塩化ビニル樹脂系シート防水、加硫ゴム系シート防水、塗膜防水であれば「飛び火認定」の必要はありません。

飛び火認定書は、上記防水工法以外の場合に必要

3.まとめ

市街地において、4つの条件をすべて満たせば屋上防水に対して「飛び火認定書」は必要ありません。

但し、どれか一つでも満たしていない場合には「飛び火認定書」が必要です。

次回ブログは1月1日(日)公開予定です。