【令和7年版】公共建築(改修)工事標準仕様書の変更点解説
2025年(令和7年)4月1日、公共建築(改修)工事標準仕様書(PDF)が国土交通省HP(官庁営繕の技術基準)に公開されました。(書籍版は5月27日に発売予定)
今回は、「9章 防水工事」にフォーカスして2022年(令和4年版)との変更点を解説します。
目次
- 主な変更点
- 変更点の概略
1.主な変更点
- 今回の改定で「仕様の追加・改廃」「施工方法」に関する大きな変更はありません。
- 主に「規定の明確化」「施工実態との整合」に対して改定されています。
- 「改修工事」に関する大きな変更点はありません。(以後 新築による説明)
仕様書の歴史昭和25年(1950年)旧建設省管理局営繕部により「建築工事共通仕様書」が制定され、平成16年版(2004年)より「公共建築工事標準仕様書」と名称を変更し、今日に至ります。 また、平成4年(1992年)に「建築改修工事共通仕様書」が発刊しています。 現在では、3年に1回のペースで定期的に改定されています。 |
下記より仕様書のダウンロードが可能です。(国土交通省ホームページ内のPDFへ遷移します)
2.変更点の概略
【1節共通事項】
9.1.3 施工一般(3)
防水層の施工後、保護層を施工するまでの間は、機材等によって防水層を損傷しないように注意する。 |
【2節 アスファルト防水】
B-1仕様
B-1(部分粘着)施工時の6工程目「アスファルトはけ塗り」の使用量を「1.0」と明記 |
9.2.4 施工 (4)(イ)(C)
部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートの継目は、幅方向は100㎜以上重ね合わせ、長手方向は突付けとし、その上に幅200×1,100(㎜)以上の改質アスファルトルーフィングシート・・・を張り付ける。 |
【3節 改質アスファルトシート防水】
ASI-T1、ASI-J1仕様 注釈
工程2に先立ち設ける防湿用シートの設置は、特記による。 |
9.3.4 施工(4)(ア)
出隅及び入隅は、改質アスファルトシート張付けに先立ち、幅200㎜程度の増張り用シートを張り付ける。ただし、パラペット天端の出隅は除く。 |
9.3.4 施工(4)(エ)
屋根露出断熱工法の場合、(ア)及び(ウ)については、断熱材を張り付けた後に、増し張りする。 |
9.3.4 施工(5)(ウ)(a)③ ・ (5)(ウ)(b)③
押え金物は、ステンレスビスを用いて、間隔450㎜以下に留め付ける。 上記に伴い、下記を追加 |
9.3.4 施工(5)(エ)(a)②
配管回りは、改質アスファルトシートを所定の位置に防水層の端部をそろえ、ステンレス製の既製バンド等で防水層端部を締め付け、上部及び根元部にシール材を塗り付ける。 |
【4節 合成高分子系ルーフィングシート防水】
9.4.2 材料(3)(オ)
屋内保護密着工法の保護モルタルの調合は、表9.2.2による。 |
9.4.4 施工(2)(ウ)
屋内保護密着工法の場合は、左官ばけ、ローラーばけ等を用いて、当日の施工範囲をむらなく塗布する。 |
9.4.4 施工(5)(ウ)(b)
配管回りは、幅80㎜程度の増張り用シートを下地面に30㎜程度張り掛け、張り付ける。 |
【5節 塗膜防水】
X-1、X-2仕様
工程1のプライマー使用量を「-※7」に変更 上記に伴い、下記を注釈に追加 |
Y-1、Y-2仕様
工程1のプライマー使用量を「-※5」に変更 上記に伴い、下記を注釈に追加 |
上記の他、語句が変更されました。
- 屋根用塗膜防水材 → 塗膜防水材
- ウレタンゴム系塗膜防水材 → ウレタンゴム系防水材
- ゴムアスファルト系塗膜防水材 → ゴムアスファルト系防水材
【6節 ケイ酸質系塗布防水】
9.6.4 施工 (1)(ア)
平場のコンクリート下地は、15章4節[床コンクリート直均し仕上げ]による。その工法は、15.4.3[工法](1)(ウ)による金ごて押えとする。 |
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