屋根下葺材の種類と特長
8月8日は「屋根の日」です。そこで今回は、戸建住宅等で使用する防水シート「屋根下葺材」の種類と特長をご紹介します。
目次
- 屋根下葺材とは
- 屋根下葺材の種類と特長
- 屋根下葺材の選定方法
- まとめ
1.屋根下葺材とは?
屋根下葺材とは、戸建住宅の勾配屋根に使用する防水シートを指し、建物内部への雨水の浸入を防ぐために使用します。
【雨水の浸入を防ぐ3要素】
下図のように、①屋根ふき材(以下屋根材)で雨水を大まかに防ぎ、②屋根下葺材を紫外線から守ります。屋根下葺材は屋根材の隙間から入った雨水の室内への浸入を防ぎます。さらに、③屋根勾配を付けることで効率よく雨水を流します。この3つの組み合わせにより建物を雨水から守ります。
【用語解説】屋根材: 粘土瓦、住宅屋根用化粧スレート、金属板、アスファルトシングルなどの屋根仕上材 勾配 : 雨水を効率よく排水するために設ける屋根の傾き度合(3寸勾配や3/10勾配と表記) |
2.屋根下葺材の種類と特長
屋根下葺材は、「アスファルト系ルーフィング」「透湿系ルーフィング」「高分子系ルーフィング」に大別されます。殆どの屋根はアスファルト系ルーフィングを使用しているため、そこにフォーカスしてご説明します。
【用語解説】透湿系ルーフィング : 防水機能よりも透湿機能(内部の湿気を外部に排出)を優先する場合に使用。通気層が必要となるなど、屋根構成が限定される。 高分子系ルーフィング: ポリエチレンやPETなどを使用した防水シート |
アスファルト系ルーフィングは、主に「芯材」「アスファルト」「鉱物質砂粒」で構成されています。
【POINT】
|
【アスファルト系ルーフィングの種類と特長】
◎:優 〇:良 △:可
防水性能 | 強度 | 耐久性 | コスト | |
---|---|---|---|---|
アスファルトルーフィング | △ | 〇 | 〇 | ◎ |
改質アスファルトルーフィング | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 |
粘着層付改質アスファルトルーフィング | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
なお、当社では特徴的な性能を持った改質アスファルトルーフィングを「機能性ルーフィング」と位置づけています。機能性ルーフィングは、「防水性能」「強度」「耐久性」などの機能や、夏場のベタつき抑制を強化したルーフィングを指します。
3.屋根下葺材の選定方法
屋根下葺材として使用する「アスファルト系ルーフィング」は、 「コスト」「地域特性」「下地勾配」「耐久性」などにより決定します。
【地域特性】
- 暑さ : 暑さにより、ルーフィング表面がベタつくため、機能性(ベタつき抑制)ルーフィングを採用(アルバクリア、アルバフェイス、カスタムライト)
- 寒さ : 寒さにより、ルーフィングが硬くなるため、寒冷地専用ルーフィング又は改質アスファルトルーフィングを採用
- 強風 : 施工時に飛散しやすくなるため、引裂強さに優れる改質アスファルトルーフィングを採用
【下地勾配】
低勾配(緩勾配)になればなるほど、水密性が要求されるため粘着層付改質アスファルトルーフィングを採用(寒冷地では「すがもれ)などによるリスクあり)
【耐久性】
高耐久性を求める場合は改質アスファルト系ルーフィングを推奨します。 機能性(超耐久)ルーフィングを使用することで、改修サイクルを大幅に減らすことができます。
【コスト】
【4つの改質アスファルトルーフィング】
【4つの粘着層付改質アスファルトルーフィング】
まとめ
屋根下葺材の種類は
選び方は
などにより決定する。