【寒冷地適応】不具合軽減はこの工法!長寿命化防水工法2選
寒冷地では、雪・凍結・結露などにより、様々な問題が発生します。防水層も例外ではなく、寒冷地に適した材料で施工することで不具合を軽減することができます。そこで今回は、寒冷期でも施工可能な高耐久改質アスファルト防水工法「アスオーブ工法」と、超耐久アスファルト防水熱工法「アスリード工法」をご紹介します。
目次
- 施工・経年後の注意点
- アスオーブ工法
- アスリード工法
- 技術的な解説
1.施工・経年後の注意点
【施工上の注意点(寒冷期)】
防水工法 | 施工上の注意点 |
---|---|
①熱工法 | 溶融アスファルトの温度低下が早い |
②トーチ工法 | 特になし |
③常温粘着工法 | 粘着力の低下 |
④塩ビシート防水 | 接着力の低下、溶剤溶着が困難 |
⑤ゴムシート防水 | 接着力の低下 |
⑥ウレタン塗膜防水 | 硬化速度の低下 |
⑦FRP防水 | 硬化時間が長い、ガラスマットへの含浸性の低下 |
上記表より「②トーチ工法」は、大きな問題点がないことが分かります。
【経年後の注意点(寒冷期)】
防水工法 | 経年後の注意点 |
---|---|
①熱工法 | 劣化がやや早い(従来工法の場合) |
②トーチ工法 | 特になし |
③常温粘着工法 | 特になし |
④塩ビシート防水 | シート劣化がやや早い |
⑤ゴムシート防水 | 防水性能に難あり |
⑥ウレタン塗膜防水 | 特になし |
⑦FRP防水 | 劣化がやや早い |
上記表より、寒冷期を避ければ「③常温粘着工法」「⑥ウレタン塗膜防水」も大きな問題がないことが分かります。
しかしながら、長寿命化防水工法は、「アスファルト防水熱工法」でのみ実現可能です。そこで次項では、寒冷地での施工や環境に強い防水工法をご紹介します。
2.アスオーブ工法
【アスオーブ工法とは?】
トーチ工法と熱工法の特性を活かしたハイブリッド型高耐久改質アスファルト防水工法です。
トーチバーナーを使用して、下地やアスファルトを温めながら施工することで、アスファルトの温度低下を抑制し、熱工法同様にアスファルトとルーフィングを交互に積層することにより長寿命化を実現しました。
【仕様ごとの想定耐用年数】
仕様ごとに様々な選定が可能です。
露出仕様 | 露出断熱仕様 | 保護仕様 | 保護断熱仕様 |
---|---|---|---|
29~35年 | 25~30年 | 35~55年 | 40~60年 |
POINT
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3.アスリード工法
【アスリード工法とは?】
超耐久ルーフィング「アスリードルーフ」と、超耐久アスファルト「アスリードコート」を組み合わせた超耐久アスファルト防水熱工法です。
寒冷期の施工は、アスオーブ工法と比較して施工管理に注意が必要ですが、当社工法で最も高い耐用年数を誇ります。
▶高耐久を活かした省力化工法もラインナップしております。
1層~3層まで様々な防水仕様をご用意しております。
【仕様ごとの想定耐用年数】
仕様ごとに様々な選定が可能です。
露出仕様 | 露出断熱仕様 | 保護仕様 | 保護断熱仕様 |
---|---|---|---|
33~60年 | 27~50年 | 30~80年 | 35~95年 |
POINT
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4.技術的な解説
【フラース脆化点】
一般的な防水工事用アスファルトは、-15℃以下となると脆くなり始めるのに対し、アスオーブ工法に使用する「易溶融性改質アスファルト」や、アスリード工法に使用する「アスリードコート」は-20℃を超えても、性能を維持しています。
【低温時の伸び】
一般的な防水工事用アスファルトは3~5㎜伸びるのに対して、高弾性(改質)アスファルトを使用することにより200㎜程度も伸びます。
用語解説 フラース脆化点 : アスファルトが脆くなり、亀裂が生じる最初の温度(℃) 低温時の伸び : 0℃でアスファルトの引張試験を実施した場合の伸び(㎜) |
【アスリード工法と、従来のアスファルト防水熱工法との違い】
▶防水工事用アスファルトに替えて、改質アスファルト塗膜防水材(アスリードコート)へ
超耐久ルーフィング(アスリードルーフ)の採用
まとめ
寒冷地に適応した不具合軽減工法として
- アスオーブ工法(高耐久工法)
- アスリード工法(超耐久工法)
があり、それぞれの特長は
【アスオーブ工法】
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【アスリード工法】
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です。
次回ブログは2024年3月1日(金)公開予定です。 「地下防水について」