【意外に無かった!】露出断熱工法+乾式二重床を推奨する5つの理由
突然ですが、皆さんは屋上防水改修後の歩行レベルまで想定して設計をしていますか?
建築設計者は新築時の屋上用途に応じて歩行レベルや防水工法を選定するかと思いますが、新築を設計する段階から改修を想定することで用途維持、改修コスト抑制や環境に配慮した施工が可能となります。
そこで、本記事では意外に無かった新工法をご紹介します!
1.露出断熱工法+乾式二重床(PF露出断熱工法)とは?
露出断熱防水工法の上に、直接乾式二重床(乾式浮床工法)が施工可能なシステムです。
従来は、圧縮強度(断熱材)の影響により露出断熱工法では施工が困難でしたが、耐圧強度に優れた断熱材を採用することにより、施工することが可能になりました。
2.推奨理由
【露出断熱工法に、乾式浮床工法を直接施工可能】
一般的なアスファルト防水露出断熱工法では、耐圧強度に劣るウレタンフォーム断熱材を使用するため、その上に浮床工法を施工できません。
また、アスファルト系防水以外の外断熱工法(塩ビシート、ウレタン塗膜等)、公共建築標準仕様のアスファルト防水露出断熱工法の上には、重量物を敷設することはできません。
【防水改修後も歩行レベルが変わらない】
【一般的な工法】新築時:押さえコンクリートの保護工法(歩行レベル:歩行) →改修時:保護コンクリートの上に防水層を被せ改修(歩行レベル:非歩行) 【PF露出断熱工法】新築時:PF露出断熱工法(歩行レベル:歩行) →改修時:PFシステム一時撤去・防水層被せ改修・PF復旧(歩行レベル:歩行) |
PF露出断熱工法を採用することにより、改修後の歩行レベルが変わりません!
【歩行レベルの定義】 非歩行 : メンテナンス(点検、清掃など)程度の歩行 軽歩行 : 特定多数が、鋲(びょう)のない靴、ゴム底の靴、スリッパなどによる歩行 歩行 : 不特定多数の人の歩行(台車等の走行含む) 重歩行 : 不特定多数の人の歩行(一般車両の走行含む) |
詳細は別ブログをご参照ください(防水工法ごとの歩行レベル)
【性能を落とさずに価格を抑えられる】
アスファルト防水露出断熱工法より安い
一般的な露出断熱工法(ウレタンボード35㎜) :22,200(円/㎡)
PF露出断熱工法(ポリスチレンボード35㎜):17,900(円/㎡)
【公共建築工事標準仕様と比べるとランニングコストが安い】
同等性能の防水層の材工設計価格で比較すると、コスト差は3千万以上
詳細は別ブログをご参照ください(防水で3千万円カット!!大規模修繕費の削減方法)
3.PFシステムの概要と特長
【概要】
防水層に直置き可能な勾配&高さ調整機能付き乾式浮き床工法
【特長】
- バリアフリー
- 荷重低減
- メンテナンス容易
- フリースペースの確保
- 簡易施工
- 防水層直施工可能
まとめ
PF露出断熱工法は、
- 露出断熱工法なのに、乾式浮床システムが直施工可能
- 断熱材を防水層で保護しつつ、乾式浮床工法が施工可能
- 防水改修後も歩行レベルが変わらない
- 防水性能・断熱性能を落とさずに価格を抑えられる
- 地球と人にやさしい
次回ブログは2023年4月1日(土)公開予定です。