【屋上利用者必見‼︎】本当の防水通だけが知る防水工法ごとの歩行レベルとは⁉︎
突然ですが、防水層は工法ごとに歩行のレベルが違うことを皆さんはご存知でしょうか。 施工した防水層に適したレベル以上の歩行をしてしまうと、防水層を傷つけてしまい、最後は漏水につながる可能性もあります。 そこで今回は、「防水層上の歩行レベル」についてピックアップして、ご紹介します。 この記事を読んで、一緒に防水層の取扱い方をマスターしましょう‼︎
この記事の内容
1. 歩行レベルの定義
2. 防水工法別の歩行レベルの程度
3. まとめ
1.歩行レベルの定義
防水工法には大別して、保護工法と露出工法があり、工法により想定する歩行の程度が異なります。
【歩行レベルの定義】
非歩行 : メンテナンス(点検、清掃など)程度の歩行 軽歩行 : 特定多数(マンションの住民など)が、びょうのない革底の靴、ゴム底の靴、スリッパなどによる歩行 歩行 : 不特定多数の人の歩行(台車等の走行含む) 重歩行 : 不特定多数の人の歩行(一般車両の走行含む) |
2.防水工法別の歩行レベルの程度
【アスファルト系防水】
アスファルト系防水露出工法は、一般的に「非歩行」です。非断熱工法の場合は「各種仕上材」と組み合わせることで「軽歩行」に、断熱工法の場合は「PF露出断熱工法」と組み合わせることで「軽歩行」になります。
また、保護コンクリートに代表される保護材(仕上材)を防水層の上部に敷設する場合は、(重歩行)となります。
工法の種類 | 断熱材の有無/仕上材 | 歩行レベル |
---|---|---|
露出工法 | 非断熱工法 | 非歩行 |
断熱工法 | 非歩行 | |
保護工法 | 保護コンクリート | (重)歩行 |
アスファルトコンクリート | (重)歩行 | |
各種仕上材 | 軽歩行 |
【シート防水】
シート防水も、一般的に「非歩行」です。 非断熱工法「塩ビシート防水」の場合は、シートの厚みを2.0㎜とすることで「軽歩行」に、 断熱工法「塩ビシート防水」の場合は、断熱材とシートの間に「セメント系ボード」を敷設し、シートの厚みを2.0㎜とすることで「軽歩行」になります。
非断熱工法「ゴムシート防水」の場合は、仕上塗料を軽舗装材とするにより「軽歩行」になります。
工法の種類 | 断熱材の有無 | 歩行レベル |
---|---|---|
塩ビシート防水 1.5㎜ | 非断熱工法 | 非歩行 |
断熱工法 | 非歩行 | |
塩ビシート防水 2.0㎜ | 非断熱工法 | 軽歩行 |
断熱工法 | 非歩行 | |
ゴムシート防水 | 非断熱工法 | 非歩行 |
断熱工法 | 非歩行 |
【塗膜系防水】
ウレタン塗膜防水は、一般的に「軽歩行」です。(表面が滑りやすいため、歩行の程度により「粗面仕上」を推奨しています)
開放廊下などで、塩化ビニル樹脂系長尺シートと併用することで「歩行」とすることができます。
工法の種類 | 歩行レベル |
---|---|
ウレタン塗膜防水 | 軽歩行 |
FRP防水 | 歩行または軽歩行など |
セメント系防水 | 歩行 |
3.まとめ
- アスファルト系防水やシート防水は、一般的に「非歩行」。塗膜系防水は「軽歩行」または「歩行」
- 露出断熱工法では、何らかの処理をしないと「非歩行」。
- アスファルト系露出断熱工法で、軽歩行とするには「PF露出断熱工法」を採用。
また、メンテナンス(維持管理)を行う上での留意事項は下記バナーより確認可能です。
次回ブログは6月1日(水)公開予定です。