アスファルトシングルの基礎知識
11月22日は「大工さんの日」です。そこで今回は、屋根材「アスファルトシングル」の基礎知識をご紹介します。
目次
- アスファルトシングルとは
- アスファルトシングルの基礎知識
- 施工の種類と改修方法
- 問い合わせの多い質問
1.アスファルトシングルとは?
アスファルトシングルは、1903年アメリカで開発されたアスファルトを主成分とする「屋根材」です。
柔軟性に優れており、ドーム型やカマボコ型など様々な形状に対応可能で、戸建住宅や集合住宅の屋根材として使用されています。
【アスファルトシングルの構成】
アスファルトシングルは、主に「芯材」「アスファルト」「スレート砂」「鉱物質砂粒」で構成されています。
【アスファルトシングル 3つの特長】
2.アスファルトシングルの基礎知識
【各国の使用状況】
世界全体の約8割が北米(アメリカ・カナダ)で使用されています。次いで、アジア(日中韓、インド、インドネシアなど)や北欧が多く、全世界で使用されています。
【国内の使用状況】
近畿地方ではマンションなどの集合住宅で使用される事例が多く、最も採用比率が高いエリアです。北海道では、海外製(主に韓国、アメリカ)のシングルの採用比率が高い傾向にあります。
【採用される建物】
輸入住宅やデザイン住宅、特に軽量で自由度の高い設計を求める建物に数多く採用されています。また、ホームセンター等でも材料を購入することが可能なため、DIYによる改修や納屋などの簡易的建物にも使用されています。
【耐用年数】
アスファルトシングルの耐用年数は下記の通りです。
一般的なシングル葺材 | 高耐久シングル葺材 | |
---|---|---|
非断熱工法 | 20年 | 30年 |
断熱工法 | 15年 | 20年 |
3.施工の種類と改修方法
【施工の種類】
主に、コンクリート下地(集合住宅など)では「接着工法」、木質系下地(戸建住宅など)の場合は「釘打工法」で施工します。 強風地域や高層住宅では、耐風圧性を考慮して「接着工法」の採用を推奨しています。
【改修方法】
改修方法は「かぶせ工法」「撤去工法」「塗替え工事」に大別されます。
- かぶせ工法 : 既存のシングル下地の上から被せて施工する工法
- 撤去工法 : 既存のシングル下地を全面撤去して施工する方法
- 塗替え工事 : シングル下地専用の塗料で再塗装する工事(シングルカラーリペア工法)
4.問い合わせの多い質問
【不燃シングルは何故なくなった?】
2000年(平成12年)に改正された建築基準法により「一定の条件を満たせば、不燃材を使用する必要がなくなった」ため、
2006年 不燃シングル(ベストロン)の製造を中止しました。
↓ 建築基準法改正の詳細はこちらから ↓
【アスベストは含まれている?】
1989年までシングル材の接着剤である「シングルセメント・ベストロンセメント」に含有していました。
それ以降はアスベスト繊維に替えてセピオライトを使用していましたが、代替として使用していたセピオライトにはトレモライトが一部含まれていたことを確認しています。
2006年(平成18年)には、トレモライト、アクチノライト、アンソフィライトの3種類が新たに規制対象となっており、過去の一定期間に弊社が製造・販売したルーフィング材及び副資材などから、微量のアスベストが検出されることがあります。これは、原料の天然鉱物中に不純物として含有される微量のクリソタイル・アクチノライトまたはトレモライトであると考えられます。よって、施工年月日、防水工法・仕様に限らずアスベスト含有率を分析調査されることを推奨しています。
解体工事及び廃棄処分についてアスベストを含む製品の撤去作業等を行う場合は、労働安全衛生法、大気汚染防止法、石綿障害予防規則、その他条例等に従い、廃棄処分の場合には、廃棄物処理法、その他条例等に従い実施してください。 |