仕様書の種類と改定状況
設計事務所、建設会社から防水工事店にいたるまで、数多くの問い合わせがある中で、今回は「仕様書」にフォーカスしてご紹介します。
この記事の内容
- 仕様書の種類
- 仕様書の改定状況
- まとめ
1.仕様書の種類
仕様書は、5つに大別されます。
【① 国土交通省 公共建築(改修)工事標準仕様書】 最新版 令和4年版
- 1950年に 旧建設省が制定した「建築工事共通仕様書」がはじまりです。 →近年まで4年に1回の改定でしたが、現在は3年に1回改定されています。
- かつては「文部省」「法務省」「郵政事業庁」など省庁ごとに作成されていましたが、現在では「公共建築工事標準仕様書」に統合されています。
- 「建築工事編」「機械設備工事編」「電気設備工事編」があり、住宅局管轄の「公共住宅建設工事共通仕様書」や、木造仕様である「公共建築木造工事標準仕様書」などもあります。
- 東京都は、独自の仕様書を制定しています。(東京都建築工事標準仕様書)
【② 日本建築学会 JASS】 最新版 2022年度版
- 1952年に「建築工事標準仕様書案」の公表し、1962年にはじめてJASS8を発刊しました。(末尾の8は防水工事) →「建築防水の最高権威」と言われています。
- 一般社団法人日本建築学会(Architectural Institute of Japan、略称 AIJ)は、建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかることを目的とし、1886年(明治19年)に設立された日本の学会です。
- 大手ゼネコン各社が制定している建設会社仕様もあります。
【③ 日本建築家協会JIA】 最新版 2023年度版
- 1965年にはじめて建築工事共通仕様書を発刊しました。 →毎年改定され、所管は近畿支部。
- 公益社団法人日本建築家協会(The Japan Institute of Architects、略称 JIA)は、建築士(設計士)の団体、1947年に日本建築設計監理協会として発足しました。
- 大手設計事務所各社が制定している設計事務所仕様もあります。
【④メーカー仕様】
- 約200社程度ある、防水メーカー独自の仕様書です。→最新技術を最も早く導入し、用途に応じて最も多くの仕様を保有しています。
アスファルト系 : 日新工業、田島ルーフィング、昭石化工など
改質アスファルト系 : 日新工業、田島ルーフィング、宇部興産建材など
シート防水系 : 日新工業、ロンシール工業、アーキヤマデなど
塗膜防水 : 日新工業、シーカ・ジャパン、AGCポリマー建材など
【その他】
- UR都市機構、ディベロッパー、防水施工業者の独自仕様書などがあります。
2.仕様書の改定状況
主な仕様書の改定状況について、ご説明します。
【公共建築(改修)工事標準仕様書】 最新版 令和4年版(旧版は平成31年版)
アスファルト防水
改質アスファルト防水
合成高分子系シート防水
塗膜防水
ケイ酸質系塗布防水
改修標仕一般
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【日本建築学会 JASS】 最新版 2022年度版(旧版は2014年度版)
語句の変更
カテゴリーの追記
アスファルト防水工事 : 面材・不定形材積層防水工事 改質アスファルトシート防水 : 面材張付け防水工事、面材固定防水工事 合成高分子系シート防水工事 : 面材張付け防水工事、面材固定防水工事 塗膜防水工事 : 不定形材塗布、吹付け防水工事 これらを総称して「面防水工事」(2014年度版ではメンブレン防水)
節の構成を変更旧仕様書(2014年度版)は「材料別」、新仕様書(2022年版)では「工法別」の構成になっています。
工法の新設
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【日本建築家協会 JIA】 最新版 2023年度版(旧版は2022年度版)
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3.まとめ
- 「仕様書」は5つに大別され、主な仕様書は直近1年で改定されています。(公的仕様書に大きな変更はありません)
当社仕様書では、「長寿命化対策(高耐久)仕様」「省力化仕様」などを上市しています。関連ブログは下記をご参照ください。